天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

食肉目クマ科の総称。ヒマラヤグマ、マレーグマ、ナマケグマ、アメリカクロクマ、メガネグマ、シロクマ(ホッキョクグマ)、ヒグマ、ツキノワグマ など。このうちツキノワグマが日本に生息する。万葉集には、荒熊として次の1首が詠まれている。 荒熊の住む…

菜の花

アブラナ科。欧州からシベリアが原産という。わが国には古い時代(弥生期?)に中国から渡来した。芭蕉と蕪村が詠んだ俳句を調べてみると、芭蕉には一句、蕪村には14句ある。 山吹の露菜の花のかこち顔なるや 芭蕉 菜の花や鯨もよらず海暮ぬ 蕪村 もも草の…

食肉目トラ科。インド、東南アジア、中国、シベリアに分布する。万葉集には3首に詠まれている。長歌二首と短歌一首である。短歌の方を次にあげておく。 虎に乗り古屋を越えて青淵に鮫龍(みづち) とり来む剣太刀もが 万葉集・堺部王 さす竹の君がおましと…

キンクロハジロ

横浜の三渓園では、2月8日から3月8日までを観梅の期間としている。21日は午後二時から、神奈川県知事や俳優の船越英一郎が訪れるらしい。TBSの放送車が2台、午前中から収録の準備をしていた。 池にはキンクロハジロの大群が遊弋していた。これは鴨…

蛇の髭

「じゃのひげ」はユリ科の常緑多年草で「リュウノヒゲ」とも言う。漢方では、ジャノヒゲの根を「麦門冬(ばくもんどう)」といい、咳止めや痰切り、心臓病等に処方した。 じやのひげの瑠璃いろふかくならむ実を そこはかとなくあけくれて見ず 斉藤茂吉 雑草…

四十雀

シジュウカラ科の留鳥。地鳴きは「ツー、ツー、ツー」、「チッツ、チッツ」、「ツピン」、「ジュクジュク」など。囀りは「ツツビー、ツツビー、ツツビー」。庭樹や果樹等の害虫をついばむ益鳥である。俳句では夏の季語。 杉垣をあさり青葉の花を踏み松へ飛び…

チュウヒ? ノスリ?

タカ、チュウヒ、ノスリ、サシバ これらの区別がつかないで困っている。写真に撮ったものはいずれなのか。インターネットで調べると、以下のような説明がなされているのだが。 チュウヒは、鳥綱タカ目タカ科チュウヒ属。草原や湿地、ヨシやアシ原等に生息す…

春の海

このところ異状といえるほど暖かい日が続いている。湘南海岸に立つと二月なのに、はや蕪村の句のようなのどかな春の海が広がる。 たわたわと空とぶ鷺の羽に透くうすくれ なゐのかなしかりけり 泡あまた流るる川にならびたる鴨は何かを しきりつひばむ 馬手(…

木瓜(ぼけ)

中国原産のバラ科の落葉低木。開花時期は、11月中旬から4月中旬まで。実が瓜のような形であるところから「木瓜」と呼ばれた。 妻亡くて十三日目と数へみる塵芥(ごみ) 捨つる庭木瓜赤ければ 田谷 鋭 月明の夜はすくすくと伸びてゆく棘もうれしき 大木瓜…

杉の花

杉はヒノキ科の常緑針葉樹で日本の特産。花には雄花と雌花があり、2月から4月に開花する。雄花は枝先に淡黄色楕円形の花序を鈴なりにびっしりつける。雌花は緑色球形の松笠に似た花序をつける。枝先の雄花に対して、雌花は枝元近くに位置する。雄花の花粉は…

春の山

今年も2月11日から始まっている湯河原梅林「梅まつり」に出むいた。例年、梅の花が満開にならない時分に出かけていたが、今回は満開であった。幕山の麓一面が梅林なのだが、周囲の冬枯れの色に埋もれてしまってあまり目立たない。久しぶりに幕山の頂きま…

シクラメン

地中海東部沿岸地方が原産のサクラソウ科の多年草。わが国では、明治中期から栽培されはじめた鉢植の花である。冬から春にかけて蝶の形の花を咲かせる。色には白、緋紅、紫紅、鮭肉色 などがある。和名を篝火花という。俳句では春の季語である。 生き死にの…

若布

冬から春にかけて生育し、盛んに養殖される。刈りとって干し、汁の実やあえ物にして食べる。鎌倉の腰越や由比ガ浜でも若布干しを見かける。鳴門産や三陸産が有名。 みちのくの淋代の浜若布寄す 山口青邨 家づとの鳴門若布の籠も青し 篠原 梵 子も孫も都に住…

黄梅

中国原産。江戸時代初期の頃に渡来。一重と八重のものがある。梅とは関係なく、ジャスミンの仲間だが匂わない。中国では旧正月(2月)頃に咲き出すので迎春花と呼ばれる。鎌倉では、長谷寺や瑞泉寺で見たことがある。 白梅の蘂にとどまる朝日かな 水音は筧…

樫の木

ブナ科コナラ属の常緑高木の総称である。秋にどんぐりの実をつける。アラカシ、シラカシ などがある。 樫の木の上に月いでてみづみづとしたる夜空を 窓よりのぞく 佐藤佐太郎 遠き世の記憶のなかに立ちそそる照明弾の下の 樫の木 大西民子 十方に枝を張りた…

穴子

アナゴ科の魚。東北、北陸ではハモという。稚魚は鰻と同じレプトケファルス。初夏に産卵。天麩羅、寿司種になる。 広島に出張した機会を利用して、久しぶりに宮島を訪れたことがあった。その折、宮島口駅前の店で名物の穴子飯を食った。列に並んでやっと食っ…

巣箱

神奈川県立座間谷戸山公園の山路は恰好のジョギングコースになっている。休日ともなれば、近所の老若男女が朝から走っている。これでは、小鳥の観察小屋があっても巣箱が懸けてあっても鋭敏な小鳥は寄り付かない。巣箱はあちこちにかけてあるのだが、これは…

長鼻目、陸生の最大の哺乳類。化石に見る種類は多いが、現生はアフリカ象とアジア象2種である。わが国の古名は「きさ」。 象潟(きさかた)や雨に西施がねぶの花 芭蕉 木のもとに臥せる仏をうちかこみ象蛇どもの泣き居るところ 正岡子規 真向(うまつこ)よ…

ユッカ

厚葉君が代蘭(あつばきみがよらん)という面白い名もある竜舌蘭(りゅうぜつらん)科の植物。アメリカおよび西インド諸島が原産地で、1596年にイギリスに渡り日本へは明治中期に渡来したという。春と秋に二度花をつけるが、秋の花は9月下旬頃から咲き…

寒梅

もう立春を過ぎているので、時期が大きくはずれてしまったが、12月下旬の冬至の頃に咲く梅で、紅色、八重の花弁。寒紅梅、冬至梅などともいう。 紅梅の寒のつぼみのいろ深く見れども固く 恥(やさ)しむらしも 福田栄一 冬至梅の固き蕾に朱注(あけさ)せ…

イソヒヨドリ

ヒヨドリの名がついているが、関係なくヒタキ科に属す。東アジア、ヨーロッパ南部、北アフリカに分布。岩礁や断崖の海岸に棲み、フナムシ、トカゲ、種子などを食べる。 今回運よく江ノ島でその姿を撮ることができた。美しい鳴き声を聞くことができた。 鳴き…

ペンギン

ペンギン科の鳥の総称。南極とその周辺地域に生息するが、北極地域にはいない。6属17種ある。一番小さいのはコビトペンギンで40cm。一番大きいのは皇帝ペンギンで1.2m。 日本脱出したし 皇帝ペンギンも皇帝ペンギン 飼育係りも 塚本邦雄 後ろ手に…

短詩形の滞空時間

月刊誌「歌壇」で現在連載中の記事に小塩卓哉の「名歌のメカニズム」がある。表題に違わず大変興味ある内容で、毎回楽しみにしている。2月号では、永田和宏の「滞空時間の長い歌―和語・漢語そしてひらがな」を紹介している。名歌には、滞空時間の長いものが…

万作

今年も鎌倉のそこここの寺の境内で、万作の花が目立つようになった。真冬ながら新年になって金色にちりちりと咲き広がる花の様子は、先行きに希望が持てるような気分にさせる。縁起のよい植物のひとつ。金縷梅ともいうマンサク科の落葉小高木で、がく片四枚…

エイ

エイ目板鰓魚類の総称。浅海から深海に広く分布する。大きなものになると全長が数mになる。アカエイ、ガンギエイ、シビレエイ、トビエイなどがいる。俳句では、赤エイが夏の季語で、エイは傍題。このエイでびっくりしたのは、JR横須賀駅前のヴェルニー公…

旧華頂宮邸

報国寺に行ったついでに寄ってみた。浄明寺二丁目六番にある。今まであまり関心がなかったので、庭内に入るのは初めて。 華頂宮は、慶応4年(1868年)に伏見宮博経親王によって創設された宮家であるが、1924年(大正13年)に断絶した。その後、伏見宮博信王…

稲科の多年生植物の総称。数十年に一度、花が咲いて枯れる。竹の一生は開花結実して新しい個体が発生してから、次に開花するするまでの期間だが、それが何十年なのか分かっていないらしい。世界には1000種もあるという。日本では、孟宗竹、真竹、黒竹な…

日輪

太陽はどこの古代文明においても信仰の対象になった。エジプトにおいてもインカにおいても。わが国の神話では、天照大御神に象徴される。現代においても太陽の恵みで地球の全ての生命が継続している。不思議である。 当然、古くから歌に詠まれている。「日」…