天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

2011-02-14から1日間の記事一覧

鑑賞の文学 ―俳句篇(12)―

鮒ずしや彦根が城に雲かゝる 与謝蕪村 [萩原朔太郎]夏草の茂る野道の向こうに、遠く彦根の城をながめ、鮒鮓のヴィジョンを浮かべたのである。鮒鮓を食ったのではなく、鮒鮓の連想から、心の隅の侘しい旅愁を感じたのである。「鮒鮓」という言葉、その特殊…