天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

2011-03-16から1日間の記事一覧

鑑賞の文学 ―短歌篇(14)―

大空は梅のにほひに霞みつつ曇りもはてぬ春の夜の月 藤原定家『新古今集』 [塚本邦雄]心と詞が華やかに伯仲し、志と技法とが相和して、まこと天馬空を行くやうな歌境を示してゐる。一首の意は譯するまでもない。例によつて梅花と春月の夢幻を題材に、いさ…