天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

2013-06-01から1ヶ月間の記事一覧

イチローを詠む(12)

6月26日(日本時間)のレンジャーズ対ヤンキース戦には、ひさしぶりに興奮した。MLBファンなら誰でもそうだったはず。投手対決は、ダルビッシュ対黒田。ところが二人ともにホームランを打たれ、3−3のまま途中で降板した。ふたりとも勝敗はつかなかっ…

かき氷

削った氷に小豆、いちご、ミルクなどのシロップをかけたものだが、夏の季語「氷水」の傍題になっている。傍題には他に、氷小豆、氷金時、氷いちご、みぞれ、氷店、氷旗などがある。氷水が流行し始めたのは、明治4、5年頃からという。 氷水世間に疎くなりに…

イチローを詠む(11)

ICHI-METERをマリナーズのセーフコフィールドに掲げたのは、エイミー・フランツという女性で、2004年からのことだった。動機は、2004年にシスラーの記録を更新しそうだと思われたからであった。メジャー年間最多安打の記録を達成した日のICHI-METERは、翌日…

浜名湖

静岡県南西部の汽水湖。1498年の津波で遠州灘への開口部ができた。最深部は12.2m、面積は65.0平方キロ。北西部に猪鼻(いのはな)湖、北東部に引佐(いなさ)細江の支湖がある。弁天島、舘山寺などの景勝地があり、魚介類に恵まれる。周辺での鰻の養殖は有名。 …

蓄音器

1857年、フランス人エドゥアール=レオン・スコット・ド・マルタンヴィル が発明したフォノトグラフが、音を記憶する装置の最古のもの。エジソンらによる改良や発明を経て、平面盤であるレコードとその再生専用機ができた。録音はラッカー盤にカッティングマ…

月下美人

中南米原産のサボテン科の温室観賞植物。高さは5mに達することもあるという。夏から秋にかけて直径20cmほどの芳香ある白い花が咲く。夜咲き普通2時間ほどでしぼむというが、気温が低いと翌朝まで咲いているらしい。右の写真は、浜松フラワーパークの…

琵琶湖

滋賀県にある日本最大の湖で、最深部は103.8m、面積は670.5平方キロ。南東岸に流入する多くの河川があるが、流出口は南端の瀬田川だけである。万葉集には、「淡海の海」と詠まれている。生息する生物の種類は多い。固有種もいる。 黄と藍とことさら映えて冬…

井伊直弼の和歌

井伊直弼は、文化12年(1815年)10月29日、第13代藩主・井伊直中の十四男として彦根城の二の丸で生まれた。母は井伊直中の側室であった。兄弟が多かった上に庶子であったこともあり、17歳から32歳までの15年間を、300俵捨扶持の部屋住みとして、丸尾末町の屋…

彦根城

空梅雨のさなか、汗だくになって国宝の彦根城に登った。この城は周知のように、江戸幕府の大老を輩出した井伊氏14代の居城であった。明治天皇が巡幸で彦根を通過した際に、城の保存を命じたため明治の廃城令に伴う破却を免れたという。天守閣はとても人が住…

サッカー(続)

去年8月16日に続いてとりあげる。現在、ワールドカップの1年前に当り、FIFAコンフェデレーションカップ一次リーグが戦われている。ブラジル戦は、0―3で完敗、イタリア戦でも3―4で敗れた。これで日本は一次リーグ敗退となった。 サポーター席にゐ…

水車

水のエネルギーを機械的エネルギーに変換する装置。水流を羽根にあて、その衝撃力によって羽根車を回転させる。精米・製粉や水力発電などに活用される。また灌漑用の水を田に送る装置として、人が足で踏む仕掛けもある。 政治にも人間の死にもかかはらず水車…

あじさい祭

今年も神奈川県足柄上郡開成町に行ってきた。毎年見る情景は同じなのに、この時期になるとどうしても行ってみたくなる。古民家の瀬戸屋敷では、良寛の一生の絵解きや人形芝居の道具の展示がされていた。 枇杷の実の群るる梢に蛙鳴く 古民家の水車が回る栗の…

花菖蒲

アヤメ科の多年草。自生の野花菖蒲を改良したもの。江戸時代に品種改良が盛んに行われた。特に東京堀切の菖蒲園は有名。 はなびらの垂れて静かや花菖蒲 高浜虚子 花菖蒲ただしく水にうつりけり 久保田万太郎 文を解くごとしや朝の白菖蒲 角川照子 きれぎれの…

鯉(1)

コイ科の魚。ユーラシア大陸の温帯部に広く分布する。他の地域では、移植されたものが野生化している。真鯉は食用であり養殖も盛ん。中国料理によく使われる。 宇治川の早瀬落ち舞ふ猟舟のかづきにちがふ鯉の むらまけ 山家集・西行 投げし麩の一つを囲みか…

枇杷の実

枇杷の木はバラ科の常緑果樹。秋から冬にかけて白い芳香のある花が開く。実は5月から7月に収穫する。中国から渡来したとされてきたが、日本の南部には野生していたらしい。実は生で食べたり缶詰にされる。 枇杷買ひて夜の深さに枇杷匂ふ 中村汀女 やはらか…

アカンサス

地中海地域、熱帯アフリカ、熱帯アジア が原産地。キツネノマゴ科の多年草。寒気に強く、栽培は容易。葉の模様は装飾のモチーフに用いられた。 アカンサス夜半一茎の花ありつつづまりにきみに 従ひし幸 河野愛子 アカンサスひと時の雨にみどり冴ゆ思ひ萎(し…

弥勒菩薩

兜率天(とそつてん)に住み、釈迦入滅から56億7千万年後にこの世に下り、釈迦の救いに洩れた衆生に竜華三会(りゆうげさんね)の説法をする未来仏。 我が恋のかねのみたけのかねならばみろくのよにもあはましものを 夫木抄・源 仲正 常乙女(とこをとめ)にほ…

梅雨入り

湘南も梅雨に入ったのだが、まだ雨の頻度は少ない。気象庁は梅雨入りの時期を修正するとか言っていたようだが。花菖蒲も時期になったので、横須賀菖蒲園に行ってきた。まだ莟の状態の種類もあったが、綺麗に咲いている種類が多い。藤沢遊行寺でも、菖蒲園の…

すずらん

ユリ科の多年草。君影草とも。夏の季語になっているが、近所の草むらには、早くも花が咲いている。花や根に毒が多く含まれ、体内に入ると、嘔吐、頭痛、眩暈、心不全、血圧低下、心臓麻痺などを引き起こし、重症の場合は死に至る。日本在来種とヨーロッパ原…

ロベリア

南アフリカ原産、キキョウ科の二年草。春から夏にかけて開花する。花言葉は、悪意、敵意。 空いろのつゆのいのちのそれとなく消なましものをロベリヤのさく 北原白秋 ロベリヤの紫いろがしつかりとその位置占めて咲けるくもり日 木下利玄 一束ね瓶に挿したる…

うぐい

漢字では、石斑魚、鯏 などと書く。コイ科の魚で雑食性。純淡水性と降海型がある。北海道から九州までの山間部の湖や渓流、内湾までに広く生息する。春の生殖期の婚姻色から、この時期のうぐいを桜うぐい、花うぐいなどと呼ぶ。 瀬瀬(せぜ)走るやまめうぐひ…

千手観音

すべてのものを同時に見、同時に救う働きをもつ。延命・減罪・除病の功徳がある。通常の像では手の本数が省略されているが、唐招提寺の木彫像は実際に千手になっている。 千手即春の翼の観世音 川崎展宏 千手観音遠近に揚雲雀かな 同上 観音の千手千眼春の雪…

ユキノシタ

花が鴨の足に似ているので「鴨足草」、葉の形からは「虎耳草」、雪の中でも葉の緑が衰えないことから「雪の下」などと表記される。 鎌倉市に「雪ノ下」という地名があるが、その由来は、源頼朝の食事に雪を出すため、雪を貯蔵しておく雪屋を八幡宮の裏あたり…

 梅雨の歌(1)

中国では、黴(かび)の生えやすい時期の雨ということで、「黴雨(メイユー)」と呼ばれていたが、そのうちに梅が熟れる時期でもあり、同音の「梅雨」と表記されるようになったという。「黄梅雨」もよく用いられる。わが国には江戸時代に伝わった。それまでは…

ペチュニア

ナス科の多年草でアルゼンチン原産。和名は衝羽根朝顔(つくばねあさがお)。花の咲き様もその色も多様。花言葉は「あなたといっしょなら心やわらぐ」。 裸少女(らせうぢよ)の背をカンバスにその子にはペチュニアの 花群(はなむら)この子にはコスモスの花群を…

薬師如来

薬師瑠璃光如来、大医王仏などともいう。東方浄瑠璃世界の教王として、病気を除き諸根を具足させて衆生を解脱へ導く仏とされる。日光菩薩と月光菩薩を脇侍とする。 雪しづく薬師瑠璃光如来像 川崎展宏 須磨の浦あまのとまやのあくるよりやくしほとけさ立つ …

冷酒

夏場の日本酒は冷して飲むことが多い。特に吟醸酒のように高級酒がよい。冷し方は、冷蔵庫に入れてもよいし、オンザロックでもよい。冷や酒、冷し酒とも。ただ、おおまかには次のような区別がされている。 れいしゅ: 冷たいまま賞味するように醸造した酒 ひ…

運河(3)

歴史上有名な運河として、エジプトの「ファラオの運河」、中国の「隋の煬帝の大運河」などがある。運河の掘削がもっとも盛んであったのは、産業革命前後であった。パナマ運河やスエズ運河がそうであった。 大運河に沿ひつつ夜行すわが少年の父の受弾地は黒き…

大日如来

密教の本尊。その光明は遍く世界を照らす。金剛界と胎蔵界の区別により二種の尊象がある。 本尊は大日如来春立てり 川崎展宏 漆黒の大日如来涼しけれ 同上 梅雨寒の大日如来堂の中 同上 大日の種子(しゆじ)より出でて三摩耶形(さまやぎやう) さまやぎやうま…

ゆすらうめ

漢字では、桜桃、山桜桃、梅桃などを当てる。たんに「ゆすら」とも言う。中国原産、バラ科の落葉低木。江戸時代初期に渡来。小さな球形の実が六月頃に熟し、甘酸っぱい。 散るときの来てちらちらと梅桃(ゆすらうめ) 川崎展宏 ゆすらうめの渋く酢味(すみ)ある…