天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

2013-09-01から1ヶ月間の記事一覧

新島襄 終焉の地

今年のNHK大河ドラマ「八重の桜」を毎週日曜日に見てきたが、毎回の終りに紹介される関係地には、私にとって目新しいところが多い。会津や鹿児島などにもまだ見ていない遺跡がたくさんある。 ところで新島襄が亡くなった地は大磯だが、その碑「新嶋襄先生…

光(4)

ニュートンは光を微粒子の流れと考えた。一方、ホイヘンスは波動ととらえた。二十世紀になり、アインシュタインは光量子仮説により、光は波動と粒子の二面性をもつことを明らかにした。この宇宙には、光よりも速度の早いものは無い、とされている。 夕ひかり…

光(3)

光は輝くばかりの美しさや人に明るさをもたらすものの譬になる。また威光、光栄など他の言葉との組合せてその意味を強調する。 冬ばれのひかりの中をひとり行くときに甲冑は鳴り ひびきたり 玉城 徹 廃品のビン積む広場月の夜は鳴り出づるごと光乱るる 富小…

仁王(続)

鎌倉・杉本寺の山門に運慶作の阿吽像がある。杉本寺は天台宗の寺で、平安初期の天平六年(734)に創建された鎌倉最古の寺。『吾妻鏡』によれば、文治5年(1189)11月23日の夜、火災が起こったが本尊3体が大杉の下で火を避けられたところから杉の本の観音と呼ば…

光(2)

光の本質は、可視光線を主に赤外線、紫外線を含め、波長が約1ナノメートルから1ミリメートルの電磁波である。 今朝の朝の露ひやびやと秋草やすべて幽(かそ)けき寂滅 (ほろび)の光 伊藤左千夫 しづかなる峠をのぼり来しときに月のひかりは八谷 (やたに)をて…

光(1)

発光体から発する光線やその反射で視覚に感じるものがある。光には色もあり、明るさ、輝かしさ、美しさ が感じられる。 倉橋の山を高みか夜ごもりに出で来る月の光乏しき 万葉集・間人大浦 月よみの光を清み神島の磯廻(いそみ)の浦よ船出すわれは 万葉集・作…

バッハを詠む

バッハ一族は、数多くの音楽家を世に出した。中でもヨハン・ゼバスティアン・バッハは、西洋音楽の歴史に、最も重要な功績を残した偉大なる音楽家であるということから「大バッハ」と呼ばれた。 「G線上のアリア」「ブランデンブルク協奏曲」「アヴェ・マリ…

残暑の候(3)

秋の彼岸が近づくと鎌倉霊園を訪れる人たちで、金沢八景行きのバスが混み合う。久しぶりに杉本寺、報国寺、浄妙寺などを巡った。仁王像、竹林、枯山水などを見て来た。ところどころに彼岸花が咲いていた。 バス待ちて列長くなる秋彼岸 秋灯下三十三の化身仏 …

蟹(3)

2008年1月4日、9月3日のブログに続いてとり上げる。タカアシガニ(日本特産、世界最大)、マメガニダマシ(日本特産、世界最小)、サワガニ(純淡水産)、ベンケイガニ(陸上生活に移りつつあり)、カクレガニ(寄生性)、水産資源として重要なものにガザミ…

キリスト(3)

イエスの説教は、当時社会的に低い位置にある奴隷や娼婦といった人々の心をとらえた。彼等に対し他の人々と同等かそれ以上に扱い、その多くを心身ともに救済したことから、弱者の味方として多くの信者を得たのであろう。 芝草を焼くほのほみゆ 姦淫はなさざ…

キリスト(2)

2012年現在でキリスト教徒は19億人から20億人というから、世界で最も多くの人間から崇拝されている人物と言えよう。処刑後、ペテロやパウロなどの弟子達たちによって、彼の言行録が著され伝承された。これらを後にまとめたものが「新約聖書」になる。 キリス…

残暑の候(2)

驚いたことに近くの路傍には彼岸花が咲きはじめた。つい一週間ほど前は、猛暑でげんなりしていたはずなのに。日本の季節の移り変わりの早さは、まことにめまぐるしい。利根川上流のダムでは、台風による大雨で貯水がすすみ、取水制限が解かれた、とニュース…

キリスト(1)

厳密に数を比較したわけでないが、短歌で最も良く詠まれた人名の一つであろう。彼の生涯を事実に基づく歴史学の上から明らかにすることは難しいようであるが、次のように推定されている。 ヘロデ大王の晩年(BC4年没)にガリラヤのナザレに生まれ、AD28…

人物を詠む

詩歌に人物を詠むことは、わが国においては、古事記・日本書記といった古代と近代以降において顕著である。作者にとっては、直接に面識があったという場合は少なく、伝説や記録に基づいて詠むことが多い。政治家、軍人、小説家、音楽家、芸人、科学者、詩人 …

竜巻

直径50m〜600mくらいの猛烈な風の渦巻。積乱雲の底から垂直に地表に向けて垂れ下がる。海面に達すると水を吸い上げ、陸上では通過点の物を墓する。中心付近では風速は100m/秒を超すものもある。平均寿命はおよそ30分程度。低緯度地方に多く発生。 地の反…

空蝉(続々)

平安時代以降にできた語で、「現人(うつせみ)」に「空蝉」を当てた結果だという。蝉のぬけがら、蝉、魂がぬけた虚脱状態の身、源氏物語の巻名 などを指す。古典和歌の例については、すでにこのブログの2010年9月2日や2011年9月12日に紹介しているので、以下…

橋(3)

人知の限りを尽くした橋として、水道橋や眼鏡橋があげられる。この両者の機能を具備した日本の橋に、肥後の国の通潤橋がある。サイフォンの原理で橋に水を流し、円形の橋脚には熊本城の石垣の構造が取り入れられている。橋(1)のところに掲載した画像が通…

橋(2)

橋の原型は、谷間を渡す倒木や河の中の飛び石であったろう。丸木橋や橋脚の原型になったはず。また木に垂れさがった蔓が吊橋に発展したと考えられる。 人も馬も渡らぬときの橋の景まこと純粋に橋かかり居る 斎藤 史 砂の上に箱おきて雷魚ひさぎ居る四ツ木橋…

くらげ(続)

「くらげ」に当てる漢字には、水月、海月の二種類がある。マミズクラゲなどの少数例が水生で、他はすべて海生。エチゼンクラゲ、ビゼンクラゲなどは食用になる。江ノ島水族館の海月展示室はなかなかのもので、いつまで見ていても飽きない。 沈みゆく海月みづ…

橋(1)

橋はその材料により石橋、丸木橋、板橋、鉄橋などがあり、掛ける場所により陸橋、桟橋、高架橋が、また形態からは吊橋、棚橋、浮橋などがある。 梯立(はしたて)の倉橋川の石(いは)の橋はも男盛(をざかり)に わが渡りてし石の橋はも 柿本人麻呂歌集 天の川棚…

積乱雲

近頃のニュースで、竜巻の映像とその被害の様子が生々しく報道される。上空の温度と地上の温度の差が四十度になると積乱雲の中にスーパーセルという竜巻の核が生じるという。日本の詩歌では、積乱雲は、入道雲、雲の峰、峰雲、坂東太郎、丹波太郎などといっ…

チーズ

動物の乳を凝乳酵素や乳酸などで凝固、発酵させた食品。硬質チーズに、チェダ¥、ゴーダ、エダム、パルメザン、グリュエール など、軟質チズには、カマンベール、カテージなど、また半硬質チーズには、ロックフォール、ブルーチーズなどがある。 チーズフォ…

牛乳

乳牛から得られる乳で、栄養価が高い。水分88.6%、炭水化物4.5%、脂肪3.3%、タンパク質2.9%、無機物0.4% など。炭水化物は乳糖が主。カルシウム、カリウム、リン、鉄およびほとんど全種のビタミン、必須アミノ酸を含み消化もよい。 いとけなき遊びの声…

火葬場

死体を火葬するための施設で斎場ともいう。炉前で遺体を見送り、火葬後に拾骨する。 現在の都市計画法においては、都市施設の一つとして「火葬場」が規定されている。その運営には、各市町村の清掃・衛生関連部署によるもの、複数の市町村が一箇所に集約して…

葬儀(2)

宗教により様式が異なる。日本では仏教伝来以来、皇室から民間にいたるまで仏式が普通であった。明治維新の廃仏稀釈により、皇室は神式に改められ、一般にも広まった。キリスト教様式も行われるようになった。 星のゐる夜空のもとに赤々とははそはの母は燃え…

葬儀(1)

死者を葬る一連の儀式のことである。遺体を納めた箱を柩という。古典和歌では、荼毘に付すことを煙に託すことが多い。鳥辺山は代表的な荼毘の場所であった。 玉梓(たまづさ)の妹は玉かもあしひきの清き山辺に撒けば 散りぬる 万葉集・作者未詳 つのさはふ磐…

病院(2)

病院施設と医師との関係について、施設利用が病院勤務医師に限定される型と地域の医師に解放される型がある。一般病院、療養型病院(長期入院)、特定機能病院(高度先進医療)の3タイプがある。 クレヨン画いづれも大きく口あけて病む子等の思ひ叫び とな…

病院(1)

医療法により、患者20人以上収容するものを病院、19人以下を診療所とする。100人以上を収容し、診療科中に、内科、外科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科を含むものを総合病院といい、各種検査室、病理解剖室、研究室、講義室、図書室などを整備することが規定さ…

 噴水(2)

人工の噴水機にスプリンクラーがある。果樹や芝生の散水灌漑に使用される装置では、ノズルから高圧の水を噴射させ、その反動でノズルが自動的に回転する。別の装置として、消火設備がある。屋根裏に配管、高温や煙に感応して放水口を開くしくみである。 僧院…

メロン(続)

果実を食用とするウリ科つる性植物の総称。網メロン、カンタループ、冬メロンなど欧米系の3変種およびそれら相互あるいはマクワウリとの交雑品種をさす。網メロンの代表格はマスクメロン。冬メロンにはハニデューがある。プリンスメロンは欧米系のメロンと…