天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

2014-01-01から1ヶ月間の記事一覧

佛手柑(ぶしゅかん)

インド原産の果実で、その形が佛の手に似ていることからの命名である。古来、慶事の床飾りとして用いられ、珍重された果実という。ミカン科シトロン類の常緑低木。幹は柚子に似て枝に刺があり、葉は楕円形。初夏、白色5弁の花を開く。俳句では秋の季語だが…

新春の鎌倉

鶴ケ岡八幡宮のぼたん園には、驚くほど多くの冬牡丹が咲いている。様々な名前がつけられている。源氏池の中の島には、橋がかけられていたが、中の島の草木を刈るためだったのだろうか。多くの水鳥が憩っていたのだが、今日は全く見かけない。 円覚寺の庭の梅…

宇宙(2)

テレビの解説を聞いても本を読んでも実感として理解できないのが、ブラックホールでありビッグバンである。また宇宙が誕生する前の状態も想像すらできない。数式の世界だけに存在する。 懲りもせずまた解説本を注文した。リサ・ランドールの『ワープする宇宙…

江ノ島の石碑

江ノ島には多くの石碑がある。顕彰碑や漢詩の碑も多いが、以下には歌碑と句碑にある作品をあげる。全てではないしよく知らない人もいる。 越えはまた里やあらむと頼みてし杖さへをれぬ老のさかみち 山県有朋 児玉神社の参道入口にある。児玉源太郎が逝去した…

笹鳴

冬になると鶯は藪をくぐったり、庭の隅の低い枝を飛び移って石を打ち鳴らすような地鳴きをする。これが笹鳴であるが、幼鳥の鳴き声とされ、「笹子鳴く」という傍題もできた。実際には幼鳥に限らず成鳥も同様な鳴き方をする。冬の季語。以下に川崎展宏の笹鳴…

新春の江ノ島

児玉神社の参道には、紅白の幔幕が張られていた。辺津宮のエスカレータ降り場の右手には、龍神の派手な像が建てられ、池の片側に銭洗いの場ができている。中津宮には茅の輪が置かれていた。茅の輪といえば、夏季の名越の祓の際に用意されるものだが、中津宮…

宇宙(1)

NHK BSプレミアムで放送されている「コズミック フロント」を逃さずビデオに撮って見ている。「コズミック フロント」は、BSプレミアムの7つのジャンルのひとつ「宇宙」をテーマとする番組として、BSプレミアム開始と同時期に放映が開始された。宇宙科学、天…

新春の吾妻山

例年のように新春の吾妻山に登った。ところどころの斜面の水仙の群落では、朝日に向って花が咲き誇っていた。山道の傍らにはアオキの朱実が目立つ。吾妻神社に裏手から近づくと鋭い声で笹子が鳴いた。頂上の菜の花畑は黄の一色。冠雪の富士山はこの日はあい…

大寒(3)

飯田龍太が詠んだ大寒の俳句を以下にあげておく。最もよく知られたのは二句目である。 大寒の雲に真近く栖みゐたり 大寒の一戸もかくれなき故郷 大寒の洩れ灯刃をなす家ばかり 大寒の赤子動かぬ家の中 大寒や毛生薬も瓶の澄み 大寒の月ののり出す港町 楠の山…

大寒(2)

東日本では一年のうちで最も寒い季節。西日本では、一月末から二月初めに最も気温が下がる傾向にある。 大寒に近きこのごろよく晴れて日ぐれはしばし夕焼の空 半田良平 出てくれば空気が壁のごとく立つ大寒の日々きはまりゆかん 鈴木幸輔 シリウスの志(し)に…

大寒(1)

周知のように二十四節気の一。小寒十五日間のあとの十五日間。陽暦で一月二十、二十一日から立春までを指す。 大寒に足袋をはかざる少女子に驚きてわれの街より帰る 山下陸奥 大寒のさ夜のくだちに時定(き)めてわが目覚むるは妹(いも) の呼べかも 吉野秀雄 …

四十雀

雀くらいの大きさで、胸の黒いネクタイのような模様が特徴。低地から山地に分布するが、市街地の公園でも見かける。先日、初春の寒い中、鎌倉長谷に出かけた折に、光則寺の境内で見かけたが、俳句では夏の季語なのである。 妻呼べば四十雀また一羽殖ゆ 波戸…

金柑

ミカン科キンカン属の常緑低木、中国原産。砂糖漬けや砂糖煮にする。秋の季語。 金柑は咳の妙薬とて甘く 川端茅舎 金柑をほほばりて来し海の子等 老川敏彦 金柑や年寄り順に消ゆる島 川崎展宏 照り陰りはげしき日にて金柑の黄金(こがね)まぶしき 日だまりを…

侘助

ツバキ科園芸品種。茶花や庭木として植えられる。早咲きで、一重の小輪の花が半開する。花の色には、紅、赤、白など。紅侘助、白侘助などと呼ぶ。 賜わりし侘助太郎冠者という 大野岬歩 すぐくらくなる侘助の日暮かな 草間時彦 侘助の奥なる人へ魚板打つ 加…

金子薫園

鎌倉高徳院の山門を入って左手奥に薫園の歌碑がある。次の歌が書かれている。 寺々のかねのさやけく鳴りひびきかまくら山に秋かぜのみつ 1932年に建立されたもの。金子薫園は、明治9年に東京神田に生れた。明治26年に落合直文のあさ香社に入門し、温雅な詠風…

膃肭獣(おつとせい)

食肉目アシカの海獣。北太平洋に生息する。イカ、魚を食べる。雄は体長2.5m、雌は1.3mほど。水中では機敏に動くが陸上ではのろい。雄一頭は15〜60頭の雌を従える。いわゆるハーレムである。雌一頭は一回に一頭の仔を生む。 おつとせい氷に眠るさいはひを我…

新春の長谷

正月の三が日過ぎてから風邪を引いてしまった。咳がひどく寒気に震えた。医者にかからなくて済んだが、近年にない経験であった。例年、インフルエンザの予防注射をしているので、こうした風邪とは無縁だったのだが。薬を飲んで楽になったので、新春の長谷を…

翻車魚(まんぼう)

マンボウ科の魚。熱帯、温帯に分布する。全長は4mにもなる。尾鰭をもたない。肉は白く、食用になるが水っぽいらしい。卵の数は大変多い。なんと一度に2億から3億も産むという。海面上に背鰭を出してゆったりと泳ぐ様には癒やされる。 翻車魚などたたきに…

自然薯

山野に自生するヤマイモ科の蔓性多年草。植物名は山の芋。夏に花が咲き、葉腋にムカゴをつける。秋から冬にかけて、この地上のムカゴを見つけて地下を深く掘ると長い根の自然薯が出てくる。粘りが強くすりおろして食べる。俳句では秋の季語。 自然薯の美髯こ…

公魚(わかさぎ)

キュウリウオ科の魚。千葉県、島根県より北の本州と北海道が原産だが、現在では人工授精卵の移植で多くの湖沼で増えている。汽水域、淡水域で獲れる。結氷湖での穴釣りは、テレビでもよく紹介される。塩焼き、天麩羅、フライ、佃煮などにして食べる。漢字で…

馬(5)

クォーターホース(正式にはアメリカンクォーターホース)は、体高150cm、体重400kg程度で、主として乗馬・牧畜作業・競馬用。世界で最も頭数の多い品種である。クォーターホースの成立はアメリカ開拓期に遡り、ヨーロッパから連れてきたアンダルシアンと、…

流星

流れ星のことである。天空のある点で生じた光がある距離を移動して消える現象で、流星物質と呼ばれる太陽の周りを公転する小天体が、地球の大気に突入して発光したもの。天空で消滅せずに地上に落下すると隕石になる。つい最近の話題としては、今年の2月1…

馬(4)

ポニーは、肩までの高さが147cm以下の馬の総称。特定の品種を指すわけではなく、馬のタイプの一つであり、犬程度の大きさしかないファラベラから、日本在来馬、比較的大きいコネマラポニーなどが含まれる。代表的なポニーは、ウェルシュマウンテンポニー、シ…

惑星

惑星とは恒星の周りを回る天体のうち、比較的低質量のものをいう。具体的には、木星質量の十数倍程度よりも質量の低いものを指す。実は惑星の定義は、古代から現代に至るまで多くの議論を呼んで一定しなかった。惑星に明確な定義を与えようという問題は、200…

馬(3)

アラブ種は、現存する改良種の中で最初に確立した品種とされる。サラブレッドよりは小柄、華奢な体躯で、速力もサラブレッドには劣るが、耐久性に優れる。アラビア半島の遊牧民ベドウィンにより、厳格な血統管理の元に改良が進められ品種として確立したとい…

第90回箱根駅伝

例年のように今年も家の近くで走者を見守った。全体はテレビで見た。山梨学院大が2区で途中棄権となったのは、残念。例年、アフリカ人の学生がごぼう抜きするのが見ものなのだが、今年は、その学生が途中で右足の疲労骨折とかで走れなくなった。箱根の山登…

馬(2)

毛並には、青毛(黒)・栗毛(淡褐色)・葦毛(白に黒、褐色交り)・水青(淡い青色)・白毛などがある。馬の名歌は多く、よく知られている。 鬣をとらへまたがり裸うまを吾嬬(あづま)男の子のあら なづけする 橘 曙覧 妹がりとしのぶ夜道に乗るときはかひの…

猿廻し

現在は大道芸として季節を問わないが、一昔前までは正月に猿を背負って家々を廻り、太鼓を打ちながら猿に芸をさせて祝儀を貰う形態であったらしい。従って俳句では「猿廻し」は新年の季語である。傍題に、猿曳、猿使、猿舞師、舞猿、太夫猿 などがある。 猿…

今年の初詣

元日に近くの遊行寺と諏訪神社に初詣に行った。本堂に参拝し小栗堂の裏庭、宇賀神、大銀杏の境内そして諏訪神社へと歩いた。宇賀神では上人から「南無阿弥陀仏」の札を頂いた。大銀杏の境内では猿回しの芸を見て笑った。ここでも上人からお札を頂く長い列が…

馬(1)

今年は馬の年。この動物は、万葉の時代から現代に至るまで多く詠まれている。万葉集の中の動物では例歌が最も多い。日本産の馬は小柄で粗食ながら強健。上古では日向産、平安時代では信州の望月・霧原村産が珍重された。 たまきはる宇智の大野に馬並めて朝踏…