天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

2014-06-01から1ヶ月間の記事一覧

紫陽花の歌(4)

紫陽花は七変化という別名があるほど、色合いが様々に変っていく。それ故か、花言葉には次のようものがある。「移り気」「高慢」「辛抱強い愛情」「美しいが冷淡」「無情」「浮気」「自慢家」「変節」など。よって紫陽花を贈り物にする場合には、よくよく考…

紫陽花の歌(3)

日本全国に紫陽花の観光名所がある。寺院の場合には、アジサイ寺という別称がついている。わが散策定番の鎌倉では、明月院、成就院、長谷寺などがそうである。神奈川県に広げれば、箱根登山鉄道、南足柄市・開成町 などいくつもある。 白あぢさゐ雨にほのか…

紫陽花の歌(2)

アジサイには毒があるという。それも青酸カリと同類というから恐ろしい。過去に料理の飾りにつけた紫陽花の葉を食べて食中毒になった事例がある。厚労省が注意を喚起したので、まさか料理についていることはないと思うが、くれぐれも注意したい。 一生を否一…

紫陽花の歌(1)

今までにもこのブログで紫陽花の歌をいくつかご紹介したが、これから4回に渡って重複しない作品をまとめて取り上げてみよう。 紫陽花の原産地は日本なのである。ヨーロッパで品種改良されたものはセイヨウアジサイ と呼ばれる。アジサイの語源には、三、四…

ななかまどの花

ナナカマドは山地にはえるバラ科の落葉高木。秋になる実や紅葉でよく知られているが、梅雨時期に咲く白い花は、地味なので気づくことは稀である。 ななかまどに花咲き初めぬ手を垂れる如きがあはれまして 梅雨のあめ 春日井政子 隧道を出てななかまど咲く駅…

河童

「カワワッパ」から「カッパ」になった。想像上の動物で水陸両生。全身が灰色または青色で口はとがり、赤い髪を垂れ、頭上に水をたたえた皿、手には鋭い爪と水搔きがある。人馬を襲い、相撲とキュウリを好む。みずし、めどち、えんこ、かわこ、河太郎 などの…

仮面

木・土・紙などで種々の顔の形に作り、顔にかぶるもの。宗教儀礼や演劇に用いる。比喩的に招待や本心を隠すみせかけのもの(以上は広辞苑から)。日本における最古の仮面は縄文時代の土面。顔を隠すという意味合いが強いマスクは、日本においては一般に覆面…

蕗(2)

最近は山野で自生する蕗が減少しているらしい。人出で栽培するものが増えている。市場に出回るものは栽培品種である。栽培種は一般に、苦みが少なく調理し易い。なお、毒性の強いアルカロイドが含まれているので、灰汁抜きをするなどの注意が必要。俳句では…

蕗(1)

キク科フキ属の多年草。日本原産で、北海道、本州、四国、九州及び沖縄県に分布する。早春、葉より先に花茎が伸び出す。これが蕗の薹である。若い葉柄を醤油で伽羅色になるまで煮詰めたものを伽羅蕗という。秋田蕗は全体が大きく、葉柄2メートル、葉幅1.5メ…

可睡ゆりの園

静岡県袋井市久能にあり、可睡斎の東側丘陵地3万坪に広がる。ちなみに可睡斎は悠久六百年の歴史を刻む東海屈指の曹洞宗の巨刹で、徳川家康が名づけた。 今回初めて訪れたのだが、百合の種類と規模に驚いた。日本にこんな場所があるとは。回遊式の日本庭園、…

ザリガニ(2)

正確にはアメリカざりがにのことである。甲殻類ザリガニ科に属するエビ。えびがにともいう。大正末期にアメリカから食用蛙の餌として神奈川県大船に移入され、本州、四国、九州の各地の水田や小川に広がった。体長10センチほどで体色は黒地に赤で美しい。が…

ザリガニ(1)

子供がザリガニをみつけたら手で掴んでとる、網で掬う、餌をつけた糸で釣るなど 子供の性格によっていくつか方法がある。ザリガニは泥の中に潜るので、見つけにくい。ただ肉類の餌には貪欲で、周囲の状況をあまり考えない。大きな鋏で掴んだら放そうとしない…

羊(2)

ヒツジは群れたがる性質をもち、群れから引き離されると強いストレスを受ける。品種によってまったく角をもたないもの、雄雌両方にあるもの、雄だけが角を持つものがある。同じヤギ亜科に属するヤギと違い、草だけを食べる。 きのふは廃羊がけふは老牛がつな…

羊(1)

哺乳綱 ウシ目 ウシ科 ヤギ亜科の一種。家畜化が始まったのは古代メソポタミアで、紀元前六千年ごろからという。乾燥した涼しい高原などで飼育された。性質は音順で粗食に耐える。羊毛をとる種類は、綿羊と呼ばれる。肉用の種類もある。日本には奈良時代に朝…

2,3日の休み

来週月曜日まで旅行にでますので、それまで休みます。

麦(3)

大麦、小麦という時の大小は、穀粒や葉の大小を意味していない。大は本物・品質の良いもの・用途の範囲の広いもの、小は代用品・品格の劣るものという意味の接辞からきている。製粉する必要のあるコムギに比べ、オオムギは粒のままで食べるために手間がかか…

 麦(2)

コムギおよびオオムギの3変種(カワムギ、ハダカムギ、ビールムギ)を四麦(よんばく)と呼ぶ。コムギ、カワムギ、ハダカムギを三麦と呼ぶ場合もある。 土色に熟れし麦の上わづかなる輝きもちて鱗雲あり 黒田淑子 帰るとは幻ならむ麦の香の熟るる谷間にいく…

島崎藤村の大磯旧居

先日の短歌人・東京歌会に次の詠草を提出した。 藤村の死亡時刻にとどまるか大磯旧居の柱時計は ところが、鑑賞した人は大磯旧居を旧吉田茂邸と勘違いしてしまい、よく理解できないという結論になった。出席者の数人がそうした感想をもったようであった。大…

麦(1)

小麦・大麦は古く中国から渡来し、ライ麦・燕麦は明治以後に欧米からもたらされた。小麦は西アジアで新石器時代の遺跡から発見されている。大麦は古代エジプト、メソポタミアの遺跡などから発見された。種類によって、パン、醤油、味噌、うどん、ビール、ウ…

ミイラ

「ミイラ」はポルトガル語mirraで、漢字では木乃伊を当てる。人為的加工ないし自然条件によって乾燥され、長期間原型を留めている死体のことである。死後、身体の腐敗が進行するよりも早く急激な乾燥が起きると、細菌の活動が弱まる。脱水症状などの条件から…

天道虫(2)

名前の由来は、太陽に向かって飛んで行くことから、太陽神の天道からきている。日本では赤や黄の地色に黒い水玉模様、あるいは黄に白の水玉模様のものが多い。幼虫・成虫とも強い物理刺激を受けると死んだふりをし、さらに関節部から体液を分泌する。この液…

プリムラ

西洋桜草。一本の茎に多くの花をつける。花の色は多彩で、黄色、赤、すみれ、青紫、白など。花が早く咲くところからのラテン語「プリムラ」がつけられたという。 北国の春先がけて咲く花のプリムラやさしわが机の上 土屋文明 冬の日向にプリムラの鉢並ぶ風ふ…

天道虫(1)

テントウムシ科の甲虫。小さな球形の背に赤や黒のさまざまな模様のある益虫である。野原や庭の草花などに見かける。アブラムシやカイガラムシなどを食べる。七星天道虫、並天道虫、亀の子天道虫などの種類があり、現われる時期が異なる。瓢虫とも表記する。 …

かたばみ

漢字で酢漿草と表記する。カタバミ科の小形の多年草。睡眠運動をする。葉は小さな三葉。茎や葉っぱは噛むとすっぱい。 をさなごと幾度か来しみちばたにかたばみの花むらがり 咲けり 杉浦翠子 みぎりにて憎み憎みしかたばみに夕日のこりて此の冬の花 土屋文明…

すいかづら

スイカズラ科の常緑蔓性の木で山野に自生。初夏、筒状の細長い花を開く。球形の実は秋に黒く熟す。干した葉は漢方薬になる。花冠の筒形が蜜を吸う唇に似ていろところからの命名という。漢字では忍冬と表記する。 藪陰のおどろがさえにはひまとひ蕗の葉に散る…

青葉の鎌倉

鎌倉の浄明寺を訪ねた。浄明寺は地名。ここで浄妙寺、旧華頂宮邸、報国寺、杉本寺をめぐった。帰りには鎌倉宮に寄りバスで鎌倉駅へ、というルートをとった。蒸し暑い日であったが、青葉若葉のおかげで気分的には、暑さをしのげた。それにしても主婦グループ…

蛇苺

バラ科キジムシロ属の多年草で田野の道端などで見かける。苺に似た赤い球形の実に毒はないが、渋みが強く食べても旨くないという。アジア南東部と日本全土に広く分布する。くちなわ苺とも。 濡れ巖のしののめあかり蛇苺 松村蒼石 蛇いちごほのかに赤しその君…

あしたば

関東の太平洋岸や伊豆七島の海岸にはえるセリ科の一年草。若葉は食用になる。以前に大島に行った時、旅館の夕食に天麩羅として食べたのが印象に残っている。葉を今日摘んでも明日にはすぐ葉が出るところからこの名前がついた。従って漢字では明日葉と書く。 …