天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

2015-06-01から1ヶ月間の記事一覧

傘(3)

梅雨になったので傘を手放せない。最近は折りたたみ傘の値段も随分安くなったし、百円のビニール傘もコンビニに売っているので、手元になければ容易に買うこともできる。 おびただしき蝙蝠を吐き街にしづむ小さき窓にまた雨は沈む 浜田 到 悲しみと言ふなら…

傘(2)

いくつかの種類について調べてみた。 菅笠: スゲの葉で編んだ笠。 番傘: 和紙を張った粗製の雨傘で、江戸時代の中頃から 竹製の骨に厚めの油紙を張った雨傘が普及した。 上等のものが蛇の目傘。 三度笠: 菅笠の一種。貞享年間 頃に初めて三度飛脚 (江戸…

傘(1)

傘は雨、雪、日光などから身を守るための用具。古来「かさ」とは笠を指し、傘は「差しがさ」と呼んだ。「笠」は、柄がなく頭にかぶるもの。対して「傘」には柄がある。漢字の形から違いが理解できよう。菅笠、翳(さしは)、笠、なにはすががさ、洋傘、からか…

小田原城の紫陽花

花菖蒲を期待して行ったのだが、すでに時期を過ぎていて、咲き残った花がまばらにあるだけであった。その代り、城壁の斜面に紫陽花が咲き乱れていた。 小田原城の前身は、室町時代に大森氏が、築いた山城であった。その後の城主は、北条氏、大久保氏、稲葉氏…

掃除機

箒や雑巾に代って電動式の掃除機が最初に現れたのは、1901年にイギリスのヒューバート・セシル・ブースが発明した時で、それは布のフィルターを備えていた。日本で発売された最初の電気式真空掃除機は、芝浦製作所(現在の東芝)が1931年に発売したアップラ…

彫刻

丸彫りと浮彫りがある。前者は、木・石・土・金属などで物の像を立体的に彫り刻むことであり、そうしてできたもの。後者は、材料に画・書・人物・動植物などを彫りこんだもの。 大いなるロダンは手のみ彫りたれど生き生きとして全体 を見す 岡山 巌 鑑真(が…

折鶴

折り紙の一種で正方形の紙を折って鶴に似せた形に作る。折り終えた際に鶴の下部に息を吹き込めば、胴体を膨らませることができる。多数の折鶴をくっついた状態で折る「連鶴」や、折鶴を多数折って繋げていく「千羽鶴」、また尻尾を引っ張って羽を動かすもの…

椎茸

クヌギ、シイ、コナラ、ミズナラ、クリなどの広葉樹の枯れ木に生える。椎茸は日本のみならず中国や韓国でも食用に栽培される。椎茸栽培には、原木栽培とおが粉など固めたものを使う菌床栽培がある。また発生する時期により春子、藤子、秋子、寒子と呼ばれる…

握り飯

握り飯(おにぎり、むすび、)は、飯を握り固めたもので、米の栽培が始まった弥生時代から作られていたという。当時の遺跡から炭化したものが発見されている。和食のレストランが海外で普及するにつれ、おにぎりも知られるようになった。 よる更(ふ)けてふと…

すもも

漢字で「李」と表記されるバラ科の落葉小高木。中国揚子江沿岸が原産地。花は白色で、果実は小形の桃に似ていて、酸っぱい。わが国には古くに渡来し、万葉集にも詠まれている。日本のすももには、甲州大巴旦杏、ビューティ、ソルダム、万左衛門、米桃などが…

雲雀(2)

日本以外にもアフリカ大陸北部、ユーラシア大陸、イギリスなどに分布する。草原や河原、農耕地などに生息する。植物食傾向の雑食性で、主に種子を食べるが昆虫なども食べる。繁殖期が始まると、オスは囀りながら高く上がって鳴き縄張りを主張する。「揚げ雲…

雲雀(1)

スズメ目ヒバリ科の鳥で、全長約17センチ。頭頂に冠蛺をもつ。奈良時代からある「ひばり」の語源は、晴れた日に空高くのぼって鳴くところから、「日晴」となったという。漢字の「雲雀」は、雲に届くほど天高く飛ぶ雀に似た鳥の意味からきた。告天子とも呼ぶ…

天竜川(2)

天竜川は、長野県から愛知県、静岡県を経て太平洋へ注ぐ一級河川。諏訪湖の唯一の出口である長野県岡谷市の釜口水門を源流とする。川の長さは、213kmで日本では9位という。 天竜川(てんりゆう)の簗(やな)にかかりし落鮎の跳ねて 身を打つ音の激しさ 田村三好…

天竜川(1)

遠州鉄道で終点の西鹿島へ行き、そこから十分ほど歩くと天竜川の河川敷に出る。梅雨の晴れ間の空に、雲雀が鳴いていた。河川敷がとても広くて、水辺に出ることはかなわなかった。 天竜川(てんりゆう)の蛇行見下ろす揚雲雀 梅雨いまだ天竜川をうるほさず 天竜…

浜松フルーツパーク

浜松市の北区にある面積約43万平方メートルの植物園である。2013年4月1日 から「時之栖」が管理運営している。遊園地あり果樹園ありで、子供たちと来れば、一日中楽しめる。 桃もぐや両手に包み引き下げて もぎ手待つ葉陰に熟るるすももかな もぎてすぐ食べ…

やなぎ

ヤナギ科ヤナギ属の総称。北半球に分布し、世界には300種以上、日本には約70種もあるという。シダレヤナギは中国原産で、奈良時代にわが国に渡来したらしい。街路樹や庭木にされている。 射す如く煙るが如き猫柳の岸辺に我執もはかなくて立つ 中城ふみ…

オクラ

原産地はアフリカ。エジプトでは紀元前2世紀から栽培されていたといわれている。わが国には、幕末に伝わったが、食用として普及し始めたのは1960年ごろと、割りに新しい。当時はネバネバや青臭さから敬遠されていたようだが、現在では、健康食品として…

レタス

アジアやヨーロッパ原産でキク科の一年草あるいは二年草。日本には古くから苣(ちしゃ)があった。 種類は次のように多様。 ヘッドレタス: クリスプヘッド型(一般的な結球性のレタス として普及しているもの) とバターヘッド型(一般的サラダ菜の名で通っ …

蟻(2)

繁殖期には、羽のある雌雄が現れて、空中で交尾し、雌は地上におりて羽を落して巣を作り女王になる。なんとも神秘的である。蟻塚あるいは蟻の塔は、巣を作る時に地中から運び出して積み上げた土砂である。 対象はわがうちに在りかなしみを殺して蟻の匍ふと …

蟻(1)

日本には、黒山蟻、黒大蟻など150種もいるというから驚く。その大部分が社会生活をしており、一匹の女王蟻と多数の働き蟻の集団である。 蟻と蟻うなづきあひて何か事ありげに奔る西へ東へ 橘 曙覧 砂原と空と寄合ふ九十九里の磯行く人ら蟻のごとしも 伊藤…

姫女苑(続)

キク科ムカシヨモギ属の植物。同属のハルジオンと共に、道端でよく見かける雑草である。北アメリカ原産。白い花を咲かせる一年草。ヒメジョオンとハルジオンは、花がよく似ていて混同されることがある。似ているが,花が 一、二 カ月程遅く咲き始め夏の終わ…

ブルーベリー

ツツジ科スノキ属の落葉性の小果樹で、北アメリカ原産。春には釣り鐘状の魅力的な花が咲き、夏には果実、秋には真っ赤な紅葉と、1年を通じて楽しめる。ひとつの実は、2〜3g程度。生食にもジャムにもされる。果皮に多く含まれるアントシアニン色素には、ロド…

ガーベラ

南アフリカ原産のキク科の多年草。明治末期に渡来した。花の色には、白、黄、桃、紅などあり、5月から11月まで、次々に開花する。花の色によって花言葉は微妙に違うが、右のような黄色のガーベラの花言葉は「究極美」「究極愛」。 単一に花開きたるガーベ…

この手柏

漢字で、児手柏と表記する中国原産のヒノキ科の常緑樹。葉のある枝が手のひらのように垂直に広がり、表裏の区別がつかない。三月、四月に開花。実は卵円形で先がとがる。 似たやうな異葉(ことば)千枚うちはやし児手柏が雷を よろこぶ 河野裕子

蛸(続)

2010年4月29日の続きである。ウツボの天敵が蛸であることを知る人はどれくらいいるだろうか。ウツボと蛸が同じくらいの大きさか、蛸の方が大きい場合は、蛸が必ずウツボをやっつけてしまうという。蛸の戦術は「肉を切らせて骨を断つ」である。つまり…

光(10)

光が象徴するものあるいはイメージをまとめると、清浄、紱行、知性、認識、知恵、進化、楽天主義 など。詩歌鑑賞のポイントになる。 北斗七星なかの一つの消えも入らんはかなき光いつ までも見つ 森川平八 星覗くべくはずされし眼鏡なれどその球面を流れし …

光(9)

BSジャパンで「追え! 光のメッセージ」では、遺伝子組み換え技術で蛍光タンパク質を組み込んだ光るカイコが光るマユをつくる試験に初めて完全密着。そのマユからとる光るシルクの産業化を視野に、量産体制構築を目指す試験場を取材している。様々な色に蛍…

ボート(2)

ボートは古代より交通や戦争の手段に使われてきた。スポーツにもとり入れられた。紀元前のエジプトの碑文によると、アメンホテプ2世はボート選手として有名であったというから愉快。ボート競技の種目には、大きく分けて二種類ある。大きいオールを一人一本持…

ボート(1)

オールで漕ぐ小船。ゴムボートもある。日本では短艇、端艇とも。皮、池、湖などの遊園地には、貸ボートがある。エンジンをつけたものがモーターボート。カヌーやカヤックなどもある。 ボート漕ぐ少年吾子の櫂かるし 清水基吉 何に急く赤牛ボートより見えて …

ベロニカの花

ベロニカは、ゴマノハグサ科の常緑多年草でヨーロッパ・アジア原産。現在では、直立する高性種から這い性のものまでバラエティに富み、世界に200〜300種ある。日本には20種ほどが自生している。 属名のベロニカ(Veronica)は、処刑地に行くキリストの汗を拭…