天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

2016-07-24から1日間の記事一覧

風の詩情(3)

六首目の藤原勝臣の歌は、船で旅立つ人との別れをうまく表現している。白波の水脈も見えないほどに遠ざかる船を見送っている。旅だった人の便りは風だけになるという。通釈では、「どこを目指して行けばよいのか、行方も知れぬ恋にとっては、風の便りだけが…