天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

2020-02-25から1日間の記事一覧

身体の部分を詠むー手(3/3)

風に乗らば雲にもとどかむわがをとめ母が手引くは重たかるべし 五島美代子*「わがをとめ」は、急逝した長女のことであろう。母たる作者が死に行く時、長女が手を引いて天に昇ってゆく情景を想像したようだ。 卓上に塩の壺まろく照りゐたりわが手は憩ふ塩の…