天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

2020-10-30から1日間の記事一覧

血のうた(5/5)

聞くための柔らかき襞日に透きてうすき血をもつにんげんの耳 三枝浩樹 窓に灯の蕭々と洩れ音もなく殺人現場の血を跨ぎゆく 砂田武治 魚けもの人も淋しき春の血を溜めてねむらむ夜空がひらく 河野愛子 血しほにもみちひきありておのづから満潮の夜の一身あを…