手元に、古びて赤茶けた一冊の本がある。各ページには、ところどころに濡れたようなにじみが見える。表紙には、小さな赤字で従軍歌集、大きな黒字で山西前線、そのルビに赤字で「さんしいぜんせん」と書かれ、鐡兜の兵士が腹這って、眼光鋭く銃を構えた絵が…
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。