天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

2022-11-18から1日間の記事一覧

わが句集・平成五年「原生林」

寒雲の燃えてなにやら力湧く 銃一声野兎かけのぼる斜面かな 自転車の白菜一つ揺られゆく 入院の日を知らせくる冬の空 青海苔を刈る浦波の朝日影 凍てつくを青アセチレン鉄を断つ 蓮枯れて鴨の航跡あらたなる 付き添へば点滴の音夜半の冬 黒猫や合掌造りの春…