天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

七七七

平塚の七夕(’07/7/7)

 七夕は、中国の星祭・乞巧奠が伝来したもので、751年成立のわが国最古の漢詩集『懐風藻』にすでに詠まれている。祭としては、755年にはじめて清涼殿で催されたという。『万葉集』には、130首程度に詠まれているらしい。以降は、勅撰集などで盛んに詠まれた。
 今年の七夕は、ラッキーセブン(777)にあやかって、2007年7月7日に結婚式をあげたり、帝王切開までして子供の誕生日にしようとしたらしい。ユーモアを越えて人間の不気味さを感じる。
 毎度のことながら、午前中に平塚に出かけた。雨が降ってきた。沿道に屋台を開けようとしている商売人達には、気の毒なことである。でも、夕方になると晴れてきたので、星が見えるほどではないが、よかった。
      七夕や髪ぬれしまま人に逢ふ   橋本多佳子

  天の河霧立ち上る織女の雲の衣のかへ飄る袖かも
                      万葉集・作者未詳
  狩り暮したなばたつめに宿からむ天の川原にわれは来にけり
                      古今集在原業平
  たなばたのとわたる舟のかぢの葉にいく秋かきつ露の玉づさ
                      新古今集藤原俊成


  地方から都市に出できて生計(たつき)なす県人会の
  七夕かざり


  願ひごと歌にたくせる短冊のなみだぐましも雨の七夕
  沿道にひしめく屋台平塚の戦後はるけき七夕まつり