天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

梅雨明け前に秋の花

吾妻山のコスモス

 二宮町の吾妻山では、夏と秋とが同居している。山百合が咲きみんみん蝉が鳴くかたわらで、コスモス、女郎花、なでしこなど秋の花が咲き蜻蛉が飛んでいる。




      梅雨明けに青きハンカチ買ひにけり
      羽化したる蝉の一声杉木立
      ギラギラと陽に濡れはしる蜥蜴かな
      吾妻山ここを先途と蝉鳴けり
      みんみんの声と化したり吾妻山


  梅雨明けぬ間に咲き出でしコスモスにあわてふためき
  蜥蜴走れり


  コスモスの花咲く宙にあらそへりいのち短き蝶と蜻蛉は
  這ひ出でて桜の肌にしがみつくうつ蝉の声空にひびかふ
  利尿にも有効といふなでしこの花にとまれる黒揚羽蝶