天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

水馬

あめんぼう

 当て字だが、あめんぼう、と読む。飴に似た匂いがするというところから付いた名前とのこと。匂いがわかるためには、数十匹の個体をまとめる必要があろう。実験してみたいが、集めるのが大変。半翅目アメンボ科の昆虫の一種。この科の昆虫は、日本に20余種いるという。別物にミズスマシいる。こちらは甲虫で、体長6.5mm内外。複眼は上下に分かれて水面と水中を見るのに適している。水面に浮いた動物の死体や他の小昆虫を食べるらしい。ミズスマシ科も日本に約20種いる。
俳句では、両者とも夏の季語。

      水馬鳳凰堂をゆるがせる       飴山 實
      あるときは雲に乗りたるみづすまし  関森勝夫


以下は、座間の谷戸公園での嘱目詠。


      しゃぼん玉とばす親子の夏木立
      縄張りの境界見えずあめんぼう


  鳥狙ひ迷彩服がまちかまふ野鳥観察小屋のうす闇
  里山カワニナ見むとじぐざぐの木道をゆくわき水の谷
  里山のくぬぎ根方の洞にあるスズメバチの巣あやふかりけり
  北国に涼しき夏をすごしゐむ影ひとつなき水鳥の池