天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

詩の原型

鎌倉の裏山

 詩の原型は繰返し(リフレイン)にあり。これが今日主張したい仮説である。視覚でも聴覚でも同じものの繰返しがあると安定感があり様式美を感じる。詩の始りである。
 先ず視覚の世界で考えよう。図形をとって見れば、長方形、平行四辺形、台形、平行線などは繰返しを含んでいる。いずれにも並行している2つの線分がある。つまり線分の繰返しである。点対称、線対称になる図形や線素もリフレインとみなせる。3次元の建築物にも縦の線や横の線のリフレインが見られる。視覚世界の詩である。
 次に聴覚の世界で考えると、同じ音が二箇所以上に現れると繰返しになる。「ああ」「おお」などが最も短い例。太鼓は世界に共通する最古の楽器のひとつと考えられるが、一つ一つの音は、まことに単純である。これを間の取り方に変化をつけて繰返すことで、人間の感情を揺り動かす力が生まれる。
日本では、五音七音五音という形式の俳句という世界に誇る最短詩型をもっている。俳句では五音の繰返しである。五七五七七の短歌形式では、五音、七音あるいは五七の繰返しが現れる。