天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

水仙

吾妻山にて

 スイセンは、古く中国から渡ってきたらしい。スイセン属の野生種には30種程度あり、地中海沿岸に分布する。19世紀以降ヨーロッパで鑑賞用に改良されたという。ラッパ、大杯、小杯、八重咲、ジョンキル、房咲、口紅などに分類される。俳句では冬の季語。



      初雪や水仙のはのたはむまで    芭蕉
      水仙や寒き都のここかしこ     蕪村
      水仙を背負ひて海に降り来る    細見綾子
      水仙の夜は荒星のつぶて打ち    岡本 眸


  つめたきはわが天地と庭の隅に春をすねたる水仙の花
                       金子薫園
  鶴の首いとはた長し白磁なす壺に声ある水仙の色
                       馬場あき子