紫蘭
ラン科シラン属。止血作用があり、喀血、止血、鼻血、胃、腸の穿孔にも用いられる。鱗茎を8〜11月頃に掘り採り、茎、ひげ根を除き、水洗いした後、蒸してから外皮をはいで、天日で乾燥させたものが生薬で、びゃくきゅうと呼ぶ。
紫蘭咲いていささか紅(あか)き石の隅(くま)
目に見えて涼し夏さりにけり 北原白秋
二宮市吾妻山の浅間神社や鎌倉の寺々で、この花をみかけた。辞典によると中部以西、西日本の草原に自生すると書いてある。とすると関東地方で見るものは、人為的に移植されたものか。
相模路の淘綾(よろぎ)の濱とふ万葉の歌碑の前なる
募金箱ひとつ
相模路の吾妻山には人あまた五月の風にふかれてゐたり
若ければあやふかりけり山頂の微笑み交はす男と女
咲く花のにほふが如き美女想ふ浅間神社の紫蘭の花に
あてもなくわがたもとほる鎌倉の谷戸の寺々紫蘭花咲く