天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

紅葉狩(3)

大雄山最乗寺にて

 久しぶりに南足柄の大雄山最乗寺に紅葉を見にいった。曹洞宗のこの寺の開山は了庵慧明禅師で、応永元年(1394)に寺が建立された。参道から見る樹齢450年から600年の大杉木立はいつ来ても心が洗われる思いがする。本堂、金剛水堂、開山堂、多宝塔、不動堂、御真殿、奥の院、慧春尼堂 と巡ってきた。紅葉は本堂周辺に集中している。近くの丸太の森に入るともっと紅葉の種類が多いのだが、今回は時間がなくて行けなかった。


      小春日や不二が顔出す矢倉沢
      銅鑼打つやもみぢを漏るる朝日影
      笹鳴の大杉木立朝日影
      大雄山もみぢに染まる和合下駄
      山門はもみぢ透きくる光かな
      落葉踏む石段先の奥の院
      杖ひける母を気遣ふ紅葉狩
      紅葉の山をとび立つ鴉かな
      わらわらと鉄路に下りる稲雀
      小春日や電車の席に眠りこけ