天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

ヨシキリ

オオヨシキリ

 ヒタキ科の夏鳥。行々子、葦雀 ともいう。行々子は鳴き声からきた名である。大葦切と小葦切がいる。今の時期、川原に行くとやかましいほどの鳴き声を聞く。近づくとすぐに鳴きやむので、写真を撮るのは素人では難しい。そこで今回は、インターネットの「お気楽バーダー」http://dev.drnet.jp/birder/index.html を参照させて頂いた。色々な様子が解像度よく捉えられていて興味深い。


      麦の出来悪しと鳴くや行々子   高浜虚子      
      葦切に空瓶流れつく故郷     藤田湘子


 寒川神社に散歩にゆく際には、相模川の岸辺によるが、そこでもヨシキリが高らかに啼いている。


  傘たてて釣りする岸の葦原にしきりに啼けるよしきりの声

  バリバリとハングライダー飛びくれど啼きやまずけり岸の
  よしきり


  ペットボトル、ラーメンカップのただよへる川の岸辺に
  よしきりを聞く


  両側に楠黒松の生い茂りみどりしたたる流鏑馬の道

  自動車の魔を祓はむと幣(ぬさ)かかげ神主きたる
  駐車場まで


  乳呑児を抱きて立てる白砂の斎庭に楠の若葉風吹く