天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

茄子

近所の畑にて

 なす、なすび とも。インド原産のナス科の一年草。わが国には八世紀に中国からきたという。丸ナス、卵形ナス、長ナスなど種類は多い。


      あめつちの静かに茄子の花ざかり
                   阿部慧月

  山峡のせまき平に植ゑ並めて茄子は短き
  むらさきの茎           木俣 修
                        
  しんかんと七月いたり母がため茄子もてつくる
  むらさきの馬           塚本邦雄
                        
  梅雨ばれを風動きつつ紫のかげしじに濃き
  茄子の一うね           玉城 徹
                        
  ゆうぐれに澄む茄子畑かなしみのしずくとなりて
  茄子たれており          玉井清弘