天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

北條六斎市

小田原城にて

 戦国時代、小田原北條氏は領国施策の一環として、商業活性化策と情報収集策に「六斎市」を開催した。小田原北條氏は「六斎市」に集う商人たちに税を免除する優遇処置を施し、城下を繁栄に導いたという。この業績を偲ぶために、五月三、四、五日の連休に小田原城二の丸御殿跡の広場で毎年開催されている。出物には骨董品と食べ物が多い。
この時期、弓道場では、競技が開催されており、老若男女が大勢集まってくる。また復元された銅門(あかがねのもん)の広場では、ジャズフェスタもある。濠の傍の「御感の藤」は満開で、連休を過ごすには最適。


     弓引くと順番を待つ楠若葉
     静まりに的射抜く音楠若葉
     召馬の狼藉にちる藤の花
     銃眼に楠の若葉や天守


  小田原城北條六斎市にみる黒松下の銃弾ベルト
  ジャズフェスタ エレキギターの調整に共振したりあかがねの門
  水ぬるむ濠の水面の騒立ちて蓮の若葉に鯉の腹擦る
  藤棚の下に召馬駈け入りて花ちりかかるすめろぎの肩