天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

ひなげしの花

久里浜・花の国にて

 欧州原産のケシ科の多年草。別名に、虞美人草、ポピー、コクリコなど。葉は羽状に深く裂けて、五月頃に真紅、淡紅、白などの色の花を咲かせる。


  雛芥子のうす花びらの眼にたたぬこまかき絞のよるのしたしさ
                         岡 麓
  咲き出でし雛芥子の花くれなゐのひたすらにしてあはれなるかな
                         窪田空穂
  まぼろしにゑがくひなげしくれなゐにハルハ河べの高き雲の下
                         山本友一
  嘆かひも日を経て淡き夕まぐれ森閑と黄のひなげしありき
                         安永蕗子
  憂きとより愁ひといはむこころかな細き雛芥子の茎束ねつつ
                         蒔田さくら子


コクリコを詠った与謝野晶子の歌があるが、あまりに有名なので省略した。