天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

川匂神社

川匂神社境内

 かわわじんじゃ と読む。相模之国二之宮に位置する。古くから二宮明神と称され、延喜式にも記載されている。ちなみに一之宮は、寒川神社。創祀は11代垂仁天皇の朝で、祭神は大名牟遅命(日本の国土を開拓した神)、大物忌命(殖産興業に功績があった神)、級津彦命(しなつひこのみこと)、 級津姫命(相模の国が相武と磯長の二国であったとき、磯長の国を開拓をした神)、 衣通姫命(そとほりひめのみこと)(安産守護に霊験あらたかな神) など。吾妻山にいくたびに、二宮駅バス停にある地図で見て訪ねたいとは思っていたが、距離感がつかめずあきらめていた。今回は、たまたま二宮の国道沿いに矢印の案内があったので、それに従って歩いた。現在の本殿は春日造で、昭和28年の造営という。境内に立つ三本の大杉が印象に残る。周辺の畑地と裏山が、かすかに昔を偲ばせる。JR二宮駅から往復二時間程度であった。帰りは吾妻山に登った。


     涼気満つ川匂神社の夫婦杉
     神祀る大杉の杜蝉しぐれ
     坂道の日の斑たどるも竹の春
     鵙啼いてはやなつかしき空の色
     花芒明日は月見と店先に


  さねさし相模之国の二之宮の川匂神社に大杉が立つ
  ふたたびの熱中症をおそれつつ山道をゆくつくつく法師
  近目には煩はしくも遠目には美しかりき藪蘭の花
  吾亦紅すすき束ねてワンコイン「明日は月見」と店先に書く