天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

初冬の鎌倉長谷

鎌倉長谷寺にて

 鎌倉の長谷寺では、11月20日から12月5日までの期間、長谷寺ライトアップ2010年、本堀雄二「BUTSU」展が開催された。
  ダンボールで作られた「BUTSU」は、現代のエコアートの
  象徴であり、光を透過させて神々しいばかりに輝きを放つ。
とのキャッチフレーズ。初めて見たので感動した。境内の紅葉や黄葉が緑の木と混ざって大変美しい。わずかの期間故に心に沁みる光景であった。
 なお、歩いた場所は、例によって、極楽寺成就院、御霊神社、長谷寺、光則寺という順であった。


     江ノ電や師走の朝の海まぶし
     桜木のならびてすがし冬日
     筒になる泰山木の枯葉かな
     弓なりにしぶく冬波由比ヶ浜
     晴々と夫婦銀杏はちりにけり
     長谷寺やもみぢ見上ぐる石の階
     紅葉ちる弁天堂の写経かな
     土牢の掘られし山の紅葉かな
     土牢の口にとどかず冬日
     縁側に落葉降りつむ谷戸の寺
     山茶花の咲きこぼれたる垣根かな
     霜月や赤信号が目に沁みる