天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

鷹取山の磨崖仏

鷹取山にて

 鎌倉長谷の裏山で山桜が咲いているのを見かけたので、東逗子の神武寺の桜も咲いているはずと、出かけたのだが、蕾はまだ固い。早すぎたのだ。しかたなく、神武寺から鷹取山の磨崖仏を抜けて京急追浜駅に向った。駅の近くに「雷(いかづち)神社」があったので寄ってみた。由来は、「太古天上より火を授かり祠に火種を絶ゆることなく朝に戴き夕べに返し火の有難さに大切に保存し祠に庇を付け雨風を防ぎ屋代とした。」という。


     咲き出でし花に微笑む磨崖仏


  山桜はや咲くらめとわが来しがつぼみは固き神武寺の山
  神武寺の山の桜はまだ咲かぬ木立に渋きキツツキのこゑ
  岩壁にたちつぼすみれ咲き出でてはかなき色に春をことほぐ
  ハーケンの刺し跡のこる岩壁に罅割はしる「落石注意」
  降りて来し湘南鷹取一丁目さくら並木のつぼみ赤らむ
  まなざしのはるかになりぬ駅までの道を老婆にわが問ひし時