天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

松葉牡丹

大船フラワーセンターにて

 ブラジル原産のスベリヒユ科の春まき一年草。花の色には、赤、白、桃、黄などがある。乾燥に強く、他の草がしおれても衰えを見せないので、日照草とも言う。花言葉は、可憐・無邪気。


  または見ぬ庭ぞとおもふ庭の面に松葉牡丹の
  くれなゐに咲く         窪田空穂


  暑き日のつづく庭のうへおのづから松葉牡丹は
  午後花を閉づ         佐藤佐太郎


  朝光に寂しきものとおもふとき露まみれなる
  松葉牡丹花           宮 柊二


  松葉牡丹植ゑつつをりて温かき地に触れゆけば
  空しくあらず          安永蕗子


  水を遣るときの間の庭夕づきて松葉牡丹は朱の
  花閉づ            前田弥栄子