天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

めだか

大船フラワーセンターにて

 メダカ科。日本の淡水魚の中で最小。地方の呼び名は、2000を超えるというから驚く。メザカ、ウキンタ、ドンバイコ、コマンジャコ、ドンボ など。飼育品種としては、ヒメダカ、シロメダカ、アオメダカなどがある。


  あめいろ の めだか かはむ とみやこべ に
   いでて もとめし おほき みづがめ
                    会津八一


  腹太の身重目高は今日明日に目高の母とならむと
  すらし               窪田空穂


  目高の子たちまちにして隠ろへどあはれ生きつつ
  あるものは好し           斎藤茂吉


  春のめだか雛の足あと山椒の実それらのものの
  一つかわが子           中城ふみ子


  人間嫌いの春のめだかをすいすいと統べいるものに
  吾もまかれむ            寺山修司


  罐に飼うメダカに日ざしさしながら田舎教師の友は
  留守なり              寺山修司


  小川には兄妹とめだた達 われら子供に戦後は見えぬ
                    池田はるみ