天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

鶏頭

横浜市舞岡公園にて

 ヒユ科一年草。アジア熱帯地方が原産とされ、日本には古く中国を経由して渡来した。そこから韓藍と呼んだ。万葉集には四首に詠まれている。


     鶏頭の澎湃として四十過ぐ     石田波郷
     鶏頭にしばらく見ゆる雨の筋    伊藤通明


  わが宿に韓藍蒔き生(おほ)し枯れぬれど懲りずてまたも
  蒔かむとぞ思ふ         万葉集山部赤人


  びろうどの朱の花重き鶏頭に鑿ひぼきをり石切場より
                     初井しづ枝