天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

紅葉狩(8)

吾妻宮境内

 以前にも書いたが、神奈川県中郡二宮町の吾妻山では、師走になると菜の花や水仙が咲き始める。短い期間ながら紅葉と菜の花と水仙が同時に見られるのである。ただ三者を一枚の写真に収める場所はまだ見つけていない。


     電線に白鷺とまる師走かな
     年暮れてはや菜の花の吾妻山
     吾妻山紅葉の蔭の滑り台
     葉の散りてネムノキねむる水仙
     吾妻山鳥居が被るもみぢかな


  大島も初島さへも見えざりき朝日を弾く師走の海は
  電線にとまれる鷺を写さむとカメラとり出す間に飛び立てり
  まぼろしの邪馬台国』を読みすすむ吾妻宮の朝の木洩れ日
  おほかたは葉を落したる木々の間の紅葉のかなた雲湧き出づる
  山上に二人の姫を祀りたり吾妻神社と浅間神社