天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

師走の鴫立庵

小冊子

  こころなき身にもあはれは知られけり
  鴫立沢の秋の夕暮       西行


 大磯の鴫立庵では、12月になると毎年「鴫立庵」という小冊子が発行される。そこには鴫立庵の由来やその年の西行祭の情況そして投句箱からの選句結果などが記載される。鴫立庵には毎年二、三回訪れて投句している。選に入るとこの小冊子が自宅に送られてくる。先日、紅葉狩のついでに寄ったら、発行されたばかりの「鴫立庵」があった。今年の投句総数は二三五句、庵主・鍵和田釉子の選に入ったのは八八句であった。わが句は次の二句が入っていた。


     地震跡をいたむ鴫立庵の春
     打水の風にふかるる鴫立庵


なお鴫立庵の入場料は百円。座敷は句会や歌会に解放されているが、その利用料は一人当たり、半日で五百円、一日で千円。二か月前から受け付けているとのこと。一度利用してみたい。