天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

城山かたくりの里

相模原市城山かたくりの里にて

 神奈川県相模原市緑区川尻にある個人所有の丘陵地である。30万株のかたくりが群生している。他にも、雪割草、節分草、東一華、菊咲一華、玄海躑躅、木五倍子、オオイアウチワ、シロガネソウ、三椏 などが見られる。毎年訪れているが、今年は梅と同様に、開花が遅れた。日当りの好い丘の上方では、群生して咲いているが、下方ではちらほらという情況であった。


  雲ひとつなき青空と仰げども首筋寒きかたくりの花
  雪割草ショウジョウバカマと共に咲く丘になだるる片栗の花
  かたくりの花に向ひてうづくまりカメラ構ふる白髪の翁
  足元のおぼつかなくも三脚と一眼レフを携へてゆく
  冬型の気圧配置となりにけり風にをののくかたくりの花
  三年前母を看取りし看護婦の帽子を想ふ片栗の花
  葉を見ざる裸の枝にくれなゐの花咲きみてる玄海躑躅
  老人のむれぞろぞろとつらなりて写真撮るなり片栗の丘
  大いなる黄の球体にならむとす弥生終りの三椏の花
  福寿草と見間違えたり木洩れ日に黄にかがよへる節分草は
  片栗の花よりさはに咲きにけり丘のなだりの雪割草は
  かたかごの花咲く丘に丈高き木五倍子はみどりの花房を垂る
  三十分毎に発車のバスを待ち別れを惜しむかたかごの花


[注意]現時点の開花状況はインターネットでご確認下さい。