天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

桜狩(2)

浜松城

 浜松城公園の桜を見に行ってきた。浜松城徳川家康と深い因縁がある。三河から東進を開始した徳川家康は、駿府に攻め込んでくる武田信玄の侵攻に備え、遠州一帯を見渡せる三方ヶ原の丘に着目。元亀元年(1570)、岡崎城を長男の信康に譲り、三方原台地の東南端に浜松城を築城し、駿遠経営の拠点とした。家康はこの城に29歳から45歳までの17年間を過ごした。公園は、この浜松城を中心に、日本庭園、中央芝生広場など、市民の憩いの場として設定されたもの。天守閣を取り巻くように約500本の桜が咲き乱れる。

     はま松は出世城なり初松魚   松島十湖

 浜松城には、藩政260年の間に25代の城主が誕生したが、在城中に幕府の要職に就いた者も多く(老中、大坂城代京都所司代寺社奉行など)、「出世城」と言われるようになった。俳句の背景である。


     出世せむさくら見下す天守


  浜松城天守閣より見下して三方ケ原の戦を思ふ