天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

七夕

平塚の七夕にて

 女子が手芸に巧みになることを祈る中国の祭事「乞巧奠」が、日本に伝わり、奈良時代から宮中で始められた。これにわが国固有の棚機女(たなばたつめ)の信仰が結びついて七夕祭あるいは星祭と呼ばれるようになった。なお奠とは物を供えて祀る意。牽牛、織女は万葉集にも多く詠まれている。平安時代の乞巧奠の様式が、京都市上京区冷泉家に現在も伝えられている。


     七夕や秋を定むる夜のはじめ     芭蕉
     涼しさは七夕竹の夜露かな      一茶
     七夕の四方にそばだつ青嶺あり  飯田龍太


  としごとに逢ふとはすれど七夕の寝る夜のかずぞすくなかりける
                和漢朗詠集凡河内躬恒
  七夕の笹易やすと捨てられありいかなる憐れ知りゆかん子ぞ
                       鈴木英夫
  争ひて別れし父が雛人形七夕人形我が子に送り来
                       樫井礼子
  七夕に母よデートをしませんか二歳で別れたかなしみ聽きます
                       布施隆三郎


 今年も平塚の七夕祭に行ってきた。生れて初めてお化け屋敷に入ってみた。一人500円。帰りには、予約しておいた料亭の個室で日本料理を堪能した。


     七夕のお化け屋敷の悲鳴かな