天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

瓢箪(ひょうたん)

大船フラワーセンターにて

 夕顔の変種。実は熟すと果皮が堅くなるので、果肉を出して乾燥させ、酒器にした。
俳句の季語は瓢(ふくべ)で秋のもの。瓢箪は傍題。他にひさご、千生り など多くある。


     瓢箪の尻に集まる雨雫    棚山波朗
     妻の持つ我が恋文や青瓢   小川軽舟


  青天というもまれにてひょうたんが棚でゆらぐを見上げ時過ぐ
                      沖 ななも
  瓢箪も糸瓜もぶらり帳尻の合わぬお尻をぶら下げている
                      石田比呂志
  食べられぬ瓢箪も植うるわが畑をふふと笑へばふふと答へつ
                       築地正子
  男女にて棲むあわれさは共どもに瓢箪に呑み込まるるごとし
                      阿木津 英