天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

満ち潮

江ノ島にて

 月や太陽の起潮力によって潮の干満が起きる。水位が極大の時が満潮(高潮)、極小のときを干潮(低潮)という。干満の水位の差は新月と満月の頃に最大になり、これを大潮という。そして一週間たつと最小になり、これを小潮という。わが国の大潮の最大のものは有明海で起り、5mに達する。


  桃取も答志も雨の日に凪ぎてやや膨れゐる入湾(いりうみ)の潮
                      生方たつゑ
  血しほにもみちひきありておのづから満潮の夜の一身あをし
                       玉井慶子
  満潮(みちしほ)の押し来るがごとやすらかに身力(みぢから)覚え
  て夜を起きあかす            窪田章一郎


  子の安産ひた願ひつつ満潮のときしらべむと新聞ひらく
                       佐藤裕禎
  雨ですよ 雨でも行かう、満潮の刻に合はせて春の海まで
                       杉本容子