天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

地球

NASAの映像から

 誕生してから約46億年という。その1億年前に太陽が出来たという。そして宇宙は約137億年前に出現した。その前はどうなっていたのか? 時間、空間の無い世界は想像しようもない。地球は太陽の周りを毎秒29.78kmで回っているが、この速度も実感できるものではない。ちなみに光の速度は、毎秒30万km。地球に住んでいるとすべて観測と計算により宇宙の状態を想像するしかない。


  アポロ十一号月面におり立つあかつきを我は地球の花
  に水やる               太田青丘


  空の道ゆきて地球のかげにあふ生くるものなき月しろ
  にして               上田三四二


  母国地球の重力圏を離れたる際(きは)の孤独を偲びて
  やまず                田谷 鋭


  きたる世も吹かれておらんコリオリの力にひずむ地球
  の風に                井辻朱美


  夜の水踏みゆく野犬の気配してかりそめに棲む地球と
  おもふ                小中英之


  自転する地球とともに脈を打つ全生物の遺伝子あはれ
                     鵜飼康東
  皓々と月冴えて照るこの夜半も地球は飢ゑに泣く子を抱く
                     近藤総子