天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

白旗神社

藤沢白旗神社

 源義経公の御霊を祀る神社として知られている。鎌倉時代以前から相模一の宮寒川神社寒川比古命の分霊を祀った社だったようだが、創建年は不明。現在の社殿は、江戸期の文政11年から7年をかけて天保6年に完成したもの。昭和55年に大改修が行われ、平成16年に回廊に高欄が設置された。大鳥居の前に幅の狭い白旗川が流れている。昔は、大雨ですぐに氾濫したという。鎌倉・腰越の浦に捨てられた義経の首が、潮の逆流によって流れてきたのも、どうやらこの白旗川らしい。里人によって拾われ、近くの井戸で洗い清められて、神社に祀られたと伝える。そして白旗明神と名づけたのは、頼朝の指示という。
 義経の兜を象った源義経公鎮霊碑の横に、義経松の札が立っているが、よく見ると切株だけである。社務所の前に義経松と弁慶松が並べて植えられているので、こちらに名称を移したのだろう。
 社殿の境内には、「弁慶の力石」があるが、これは何度かご紹介した四日市大学・高島教授の力石調査にもとり上げられている。


  鎮魂碑兜かたどるその脇に切株のこる義経の松
  赤椿多(さは)に咲きたる間(あひ)に見ゆ義経公の
  白旗明神


  義経の首を祀りて弁慶の力石置く白旗の杜
  そのかみの石占(いしうら)なりし力石事の成否は
  軽き重きに


  時を経て力試しの石となり街道脇に置かれてゐたり
  境内に餅のやうなる力石子に触らせる初宮まゐり
  弁慶の力石とぞ平たくて十円銅貨二個置かれたり
  ほの白き花鈴なりに馬酔木咲く水処理場の垣根の木蔭
  横浜の西に位置して稼働せる馬酔木花咲く下水処理場