天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

目白

熱海糸川辺にて

 メジロ科の鳥。目の周囲に白い環が目立つところから、名前がついた。日本、朝鮮半島、台湾、中国南部、インドシナ北部などに分布する。冬には、北のものは南に移動する。主に昆虫を食べるが、我々には花の蜜に群がる情景が馴染み深い。俳句では夏の季語になっている。
 なお、目黒という絶滅危惧種もいる。


     見えかくれ居て花こぼす目白かな  富安風生
     綿棒の水を貰へる目白の子     原田保江


  今年子の目白とびかふ花のあひだ乾ける空気動くことあり
                      吉田正俊
  枝の雪ちらし飛び去る目白一羽かすかに覚ゆ春の気配を
                      吉田正俊
  柿の実を先ず来てつつくは鵯にして目白がつづき雀が最後
                      葛原 繁
  純白の馬酔木に乗りて蜜を吸ふめじろ一心に声を洩ららさぬ
                      石川不二子
  木犀の枝に目白の来はじめて雀は来ても来なくてもよし
                      竹山 広
  目白来て鵯が来て人も寄る樹齢百年の白梅勢えば
                      大下一真