天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

イチローを詠む(2)

マリナーズ時代

 11年連続して200安打が達成できるか、はらはらいらいらしながらテレビ画面に見入った。


  イチローのデザインといふ淡青のユニフォーム着る観客あはれ
  打てざれば食事も咽喉を通らざる日のありしことイチロー語る
  イチローのベンチの横に誰もゐずゲーム見てゐる髭の横顔
  アウェイでは拍手少なきイチローの十一年目記録あやふし
  一打席二打席ともに凡退のイチロー見れば耐へがたかりき
  観客の少なきセーフコフィールドは「イチロー・スズキ!」に
  少しざはつく


  十一年二百安打を期待してビデオにのこす朝のBS
  たまに出る複数安打に昂ぶりて未だあきらめず二百安打を
  叶はざる夢を選手に托したり不調になれば怒り湧きくる
  イチローを敬遠したるピッチャーを罵倒してをりテレビに向かひ