天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

欅(けやき)若葉

小田原城公園にて

 本州から九州にかけて山野にはえる楡科の落葉高木。高さは30mにも達する。欅並木は雄大な感じがする。4,5月に新葉とともに淡黄緑色の小さな花をつける。


  デユフイの海のやうなる空にさやぎ欅若葉は一会(いちゑ)の
  さみどり               島田修三


  もうすでにきみの一生(ひとよ)はをはりぬと若葉を吹ける
  この大欅               前登志夫


  幻の十九歳(じふく)の吾子をさみどりの欅若葉の樹下に立たす
                     小林敦


  あさみどり冠る木末となりにけりけやきはけやきとして
  生まれけり             阿木津 英