天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

ジギタリス

大船フラワーセンターにて

 ゴマノハグサ科多年草で欧州原産。有毒だが、乾燥した葉は利尿剤・強心剤になる。和名は、花の形からつけられて、「狐の手袋」。英名の訳でもある。


     少年に夢ジギタリス咲きのぼる     河野南畦
     あまり口利かぬ子がゐてジギタリス   星野高士


  ああ五月蛍匐ひいでヂギタリス小さき鈴ふるたましひの泣く
                      北原白秋
  ジギタリス毒にて薬 ほどほどの美しさにて咲きのぼりゆく
                      斎藤 史
  二箇月余飲みつづけゐしジギタリス初夏の日暑きこの園に咲く
                      山谷一郎
  赤い旗のひるがへる野に根をおろし下から上へ咲くジギタリス
                      塚本邦雄