天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

西瓜

NHKテレビの画像から

 西瓜の歌は既に、2011年8月15日、2012年7月5日のブログでとり上げているので、ここではそれらと重複しない作品をご紹介する。西瓜の西を「スイ」と発音するのは、唐音。スイカの表記には、「水瓜」もある。蔓性で雌雄同株。果肉の色には、淡紅、紅、黄、クリーム色などあり。種も食用になるが、種無し西瓜もある。


  やや暑き山の日ざかりの心よく大き西瓜をわりにけるかも
                     古泉千樫
  碧き珠の大西瓜なれ食ひて見ねば讃め得ずとにかく刃を
  あておろす              阿部静江


  叱られてぺしやんこの児が半月の西瓜食べ食べ膨らみてくる
                     春日いづみ
  腎臓を病みて死にたる弟に西瓜買わざりし思い出ひとつ
                     石井利明
  初夏(はつなつ)を大テーブルに載せられし陽気なスイカ
  切られて笑ふ            前川佐重郎


  盂蘭盆に供えるつもりの西瓜の実敷わらに乗せ育ち見守る
                     櫻井利春
  育ちたる時間を抱きガリレオの地球のやうに西瓜は光る
                     草田照子