橋の原型は、谷間を渡す倒木や河の中の飛び石であったろう。丸木橋や橋脚の原型になったはず。また木に垂れさがった蔓が吊橋に発展したと考えられる。
人も馬も渡らぬときの橋の景まこと純粋に橋かかり居る
斎藤 史
砂の上に箱おきて雷魚ひさぎ居る四ツ木橋は暑き夕光のとき
五味保義
川上に橋かかりをり久しくもひと通らねばその橋さびし
前川佐美雄
幾千の足音は石に滅びしをあかとき遠く橋かかりゐつ
清原令子
永代橋ひとよのことは短くて一つの橋をいまに忘れず
坪野哲久
さまざまな形の橋をわたりしがわたりて楽しき街あらざりし
坂田博義