泥鰌
ドジョウ科の魚。日本全土、朝鮮半島、中国、台湾などに分布。水田、沼、溝などの泥底に棲んで、有機物や小動物を食べる。条件が悪いところでは腸呼吸することもある。柳川鍋、蒲焼などにして食べる。養殖もおこなわれている。全身が橙黄色のものをヒドジョウといい、観賞用に人工繁殖されている。
自在にてまた荒涼と遊びゐる泥鰌の桶をのぞきて立てり
鈴木幸輔
川魚の泥鰌を食ひし夕べにてなまぐさき息を合歓の花
に吹く 前川佐美雄
わが為に曲りて煮えし今朝のどぢやう君食はぬ分我食
らふべし 土屋文明
庭隅のコンクリートの池の秋透きとほるまで泥鰌は痩せぬ
大野誠夫
あしひきの山本健吉先生とあな畏(かし)こ飯田屋に来て
どぢやう食ふ 高野公彦
一合の酒をはさみてただ一度父とふたりのどぜう丸鍋
小高 賢
駒形のどぜう食ひたき思もて歩き来るうち食はぬとも良く
千代國一