天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

 牛(4)

NHKテレビ「キッチンが走る」から

 肉用種について。一般に骨が太く頑丈で肉量が多い。ショートホーン種、ヘレフォード種、アバディーン・アンガス種、シャロレー種などが代表的。わが国では黒毛和牛が有名。松坂牛、神戸牛、但馬牛など、現在では多くの産地名がついて肉の品質・旨さを競っている。


  その胎にねむる仔牛の闇のむたほそほそたたむ脚の見ゆるも
                     河野愛子
  北ぐにの暗くさびしき一冬に牛らは釘を呑みて死ぬとふ
                     岡部文夫
  塩にて洗う牛の舌 幕引きのことは己れでなさんと思う
                     高瀬一誌
  斑牛(まだらうし)体ほのぼのと揺らしつつ陽あたる窪地に
  集ひゆく見ゆ             河野裕子


  人間に曳かれし牛がわれと会い刹那鋭き目を向けて過ぐ
                     浜田康敬
  敗れたる牛は如何にか映像は勝てる牡牛をしばらく見しむ
                     大西民子