天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

翻車魚(まんぼう)

八景島シーパラダイスにて

 マンボウ科の魚。熱帯、温帯に分布する。全長は4mにもなる。尾鰭をもたない。肉は白く、食用になるが水っぽいらしい。卵の数は大変多い。なんと一度に2億から3億も産むという。海面上に背鰭を出してゆったりと泳ぐ様には癒やされる。


  翻車魚などたたきに並びゐる市場寂しき糶のさまを見て立つ
                      由谷一郎
  まんぼうのうるむ眼のわが母に似るとおもへや耐へがたきかも
                      岡野弘彦
  水のごとく淡くはかなきまんぼうの身を啖ひゐてやがてかなしき
                      岡野弘彦
  月の下びに立てば思へりマンボウの生み落すとふ卵三億
                      益水典子
  水族はみな銀色のまぶたもつわれとマンボウのあいだの億年
                      井辻朱美