天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

春分(1)

藤沢市遊行寺にて

 藤沢・遊行寺の放生池の縁に木蓮の大木が立っている。以前にもご紹介したが、この季節には見事な白い花が咲く。今年の春分の日には、花は開ききってはいなかったが、もこもこの花が枝にたくさんついていた。


     春分ムクドリ群れて騒がしき
     白もくれん放生池に波立たず


  騒がしき声おこりたり見返れば腰の背白きムクドリの群
  遊行寺の放生池の縁に咲く屋根より高き白きもくれん
  観世音放生池に立ちませり枝にあふるる白きもくれん
  遊行寺の墓地のあちこち人の来て花を供ふる彼岸中日
  江戸の世の藤沢宿のにぎはひの絵図を貼りたり山門の下
  かつて見し映画館などすでに無し幤辛夷咲く遊行寺通り
  鯖寿司のおぼろ昆布巻、焼鳥に焼酎を飲む春分の日