天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

春分(2)

幤辛夷(円覚寺龍隠庵にて)

 遊行寺の白もくれんが咲いたので、円覚寺仏日庵の情況も見に行った。やはり咲いていた。龍隠庵の庭には、貝母、ミツバツツジ、ゲンカイツツジ、幤辛夷、おかめ桜、土佐水木などの花に出会えた。また黄梅院の庭には三椏の黄色い花が咲きかけていた。東慶寺にも入ったが、ここでも白もくれん、三椏の花、早咲きの桜などを見ることができた。


     春うらら読経のこゑの高らかに
     黄蝶とぶ萬年山の読経かな
     仏舎利は信心にこそ黄蝶来る
     山門の受付に見る吊るし雛


  舎利殿の薄暗き闇おもほえば萬年山に読経ひびかふ
  本当に釈迦の骨かと問ふてをり萬年山の佛牙舎利塔
  鱗茎を乾燥させて貝母(ばいも)といふ編笠百合は
  うつむきて咲く